大分大学 解析セミナー

大分大学 解析セミナーでは, 解析学に関わる話題について講演を予定しています.

不定期に開催します. 会場は大分大学またはホルトホール(大分駅前)です.

どなたでもご参加いただけます. 事前のご連絡や参加費などは一切不要です. 皆様のご参加をお待ちしております.

次回のセミナー

第14回 大分大学 解析セミナー
日時 2024年2月10日(土) 14:30〜16:00
場所 サテライトキャンパスおおいた(J:COM ホルトホール大分 内)
講師 沖田 匡聡 氏(久留米工業高等専門学校)
題目 Navier-Stokes 方程式の時間局所解の存在時間延長について
要旨
全空間上の非圧縮性 Navier-Stokse 方程式は初期値が滑らかな場合、 ある時刻Tまでの滑らかな時間局所解の存在が知られている。 この存在時刻Tをどこまで延長できるかは大きな問題であるが、解が Serrin の条件を満たせば、 時刻Tで爆発することなく、時刻Tを越えて、滑らかな解としての存在時間を 延長できることが知られている。 本講演では、滑らかな解に時間Tにおける爆発に関するある条件を仮定すれば、爆発せず存在時間を延長できることを示す。 これにより、時間可積分性について Serrin の条件を弱めることが出来たことを報告する。 証明では、時刻 t、空間変数 x を固定した場合の t、x におけるNavier-Stokse 方程式の新しい解表示を導入し、条件下の元で解のアプリオリ評価の導出を行う。


第15回 大分大学 解析セミナー
日時 2024年2月10日(土) 16:30〜18:00
場所 サテライトキャンパスおおいた(J:COM ホルトホール大分 内)
講師 愛木 豊彦 氏(日本女子大学)
題目 1次元圧縮性弾性体の変形や移動を表す数理モデルとその応用について
要旨
圧縮性弾性体とは微小変位を仮定しない,つまり,歪みが大きい値や −1 より大きい負の値を取りうることを意味している。 また,平面上の曲線の運動を考察対象とするため,変位ではなく位置を未知関数とするモデルを扱う。 従って,歪みは未知関数の導関数の絶対値を含むため,歪みは未知関数の導関数に関して,特異点を持つ非線形な関数によって定義される。 このような非線形歪みを解析的に扱うために,本研究では応力も歪みに関する特異点をもつ関数として定義する。 本講演では,歪みや応力の定義の背景を述べた後,本モデルに対する数値計算結果をもとに,非線形歪みや特異点を持つ応力関数によるモデルの妥当性を議論する。 さらに,このモデルの応用として,弾性衝突に対する新たな数理モデルを提唱し,簡単な場合の数値計算結果を踏まえて新モデルの妥当性も示したい。 なお,本講演の内容は小杉千春氏(山口大学)との共同研究の成果に基づく。