大分大学解析セミナー

大分大学 解析セミナー

大分大学 解析セミナーでは、解析学に関わる話題について講演を予定しています。
開催は不定期、会場は J:COM ホルトホール(大分駅前)です。
どなたでもご参加いただけます(参加費不要)。
懇親会等の準備の関係上、次回ご参加の際は 2025/7/10 (木)までに
内田 俊(shunuchida[あっと]oita-u.ac.jp, あっと -> @)へのメール
にて事前にご連絡下さい。
皆様のご参加をお待ちしております。

次回のセミナー

第21回 大分大学 解析セミナー

日時:2025年12月13日(土) 14:00~15:00

場所:サテライトキャンパスおおいた(J:COM ホルトホール大分 内)

講師:松本 敏隆 氏(静岡大学)

題目:安定性条件の拡張と線形発展作用素の生成について

要旨:Banach空間における線形発展作用素の生成定理の研究は、Kato (1970)以降生成作用素の定義域が稠密な場合に多くの理論的研究と偏微分方程式への応用が行われてきた。 生成作用素の定義域が稠密でない場合については、非回帰的Banach空間の場合に先ず研究が行われ、特にThieme (1990) は強連続半群の自然な拡張である局所Lipschitz連続な integrated semigoup を 可積分関数空間における人口動態の半線形初期・境界値問題に応用した。回帰的Banach空間においては、時間依存しない生成作用素の場合に、Magal-Ruan (2007), Thieme (2008) などの研究があるが、 彼らが用いた安定性条件はLaplace変換に基づくものであり、時間依存する生成作用素の場合への拡張は困難である。 本講演では、従来の差分に基づいた安定性条件の拡張とその下での発展作用素の生成および時間微分可能性の結果について紹介する。本講演の内容は田中直樹氏(静岡大学)との共同研究に基づく。



第22回 大分大学 解析セミナー

日時:2025年12月13日(土) 15:20~16:50

場所:サテライトキャンパスおおいた(J:COM ホルトホール大分 内)

講師:田中 直樹 氏(静岡大学)

題目:距離空間における作用素半群の生成について

要旨: Hille・吉田の定理の非線形拡張は、1975年の小林による生成定理により理論的に完成を見た。 Feller・Phillips・宮寺による一般の強連続線形半群に関しては、その概念の非線形版であるリプシッツ作用素半群を対象として、 講演者は、2015年に、高村・Martinによる非線形縮小半群の理論を含む形で、無限小生成作用素の特徴づけを体系的に整理した。 一方、1990年代初頭にはAubinによって、完備距離空間における微分方程式の解析が開始され、距離空間における準縮小半群理論の展開に向けた基盤が築かれた。 一般の強連続線形半群は距離に関して準縮小半群をなすことから、距離空間における準縮小半群の考察を通じたFeller・Phillips・宮寺の定理の非線形拡張を目指したい。 本講演では、完備距離空間におけるリプシッツ作用素半群の生成クラスの概念を導入し、その特徴づけについてご紹介する。 また、完備CAT(0)空間における縮小作用素半群の生成定理についても触れたい。



第23回 大分大学 解析セミナー

日時:2025年12月13日(土) 17:10~18:10

場所:サテライトキャンパスおおいた(J:COM ホルトホール大分 内)

講師:小林 良和 氏(新潟大学・中央大学)

題目:バナッハ空間における抽象コーシー問題の一般化された強解について

要旨: 非線形作用素半群の理論は、 ヒルベルト空間における Y.Kōmura(1967) の結果に始まり、 T. Kato(1967) により、一様に滑らかなバナッハ空間の場合に拡張され、 M. Crandall and T. Liggett(1971) により、 最も典型的な条件の下で、一般のバナッハ空間での生成定理が得られた。 これらの生成定理は、さらに一般的な形に拡張されたり、単独保存則方程式やハミルトン・ヤコビ方程式など、 種々の非線形偏微分方程式の初期値問題に応用されている。しかし、一般のバナッハ空間における生成定理によって得られる、 抽象コーシー問題の解は、その空間が非回帰的な場合には、強微分可能とは限らない (G. F. Webb(1972) など ) 。 そのため、Ph. Bénilan(1972) や Y. Kobayashi(1975) などにより、強微分可能でない一般的な弱解の概念が、 いくつか提案されている。ここでは、強微分の概念を拡張して、拡張された微分について、 適当な意味でのラドン・ニコディムの定理が、非回帰的なバナッハ空間においても、成り立ち、 その拡張された微分を用いた、一般化された意味での強解が、非線形作用素半群に応ずる抽象コーシー問題の、 十分に多くの初期値に対する、一意的な解になることを紹介する。