2019年度前期 微分方程式(応用解析T)
【授業のねらい】
様々な分野で使用される常微分方程式について,基本的な概念や考え方を身につけた上で,微分方程式が必要となる状況や解が持つ意味
などの理解を目指します。特に,2階までの線形微分方程式にたいしては,基本的な計算が出来るようになり,それぞれの分野で実践的
に微分方程式を生かせるようになることを目標とします。
【具体的な到達目標】
- 1. 常微分方程式の一般解,特殊解,解の一意性といった基本的な概念を身につける。
- 2. 1階および2階の常微分方程式に対して,斉次,非斉次の場合に一般解や初期条件を満たす解を求められるようになる。
- 3. 定係数の連立微分方程式に対して,一般解を求める汎用的な考え方を理解する。
- 4. 連立微分方程式と高階の線形微分方程式の関係を理解する。
試験,評価方法など
- 最後の授業の日に試験
- 最後の一つ前に全体のまとめをする
- 通常の授業では演習をする(12回)
- 演習は30点満点で点数をつける
- 演習点の平均 + 期末(100点満点×0.7) で評価する
(演習点は欠席の場合は0 , 忌引き及びインフルエンザの場合の欠席は分母からはずす)
欠席した次の回までに出したものは15点満点で評価する
- 試験で再試対象となった人を対象に,通常の試験期間に2回目の試験をする。
【教科書】
微分方程式概説(サイエンス社)
【授業を受ける上で必要となる数学の知識】
高校数学
微分積分の数学的な定義、n次関数や
三角関数、
指数対数関数、
有理関数などの微分や積分の公式。
複素(数)平面.二次元ベクトルの和スカラー倍,内積.
大学初年度での数学
逆三角関数や
有理関数などの積分.
1変数のテイラーの定理,任意回数の導関数計算 .(これらの内容については、この授業の開講期までに 他の授業で扱われないものも含まれるので、授業で概説したうえで扱うが、予習しておくことが望ましい)
授業内容
- 微積分の復習その1(初等関数と微分)
- 微積分の復習その2(積分)
- 微分方程式入門 (方程式の種類,解について)
- 定係数1階常微分方程式(斉次)
- 定係数1階常微分方程式(非斉次)
- 1階常微分方程式(非定係数)
- 1階常微分方程式(まとめ,発展)
- 定係数斉次2階微分方程式
- 定係数非斉次2階微分方程式
- 初期値問題
- 非定係数2階微分方程式
- 2階常微分方程式(まとめ,発展)
- 連立微分方程式と高階の微分方程式
- 連立微分方程式の解法
- 全体の復習および発展
演習解答解説
期末試験の問題ごとの項目
- [1] 線形1階 未定係数法を含む
- [2] 変数分離形,同次形,ベルヌーイ形
- [3] 定係数2階線形斉次
- [4] 定係数2階線形非斉次 定数変化法
- [5] 定係数2階線形非斉次 未定係数法
- [6] 定係数2階線形非斉次初期値問題
- [7] 連立微分方程式,行列の指数関数